全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針 全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針

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全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針に関して、ご説明いたします。

イメージ全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)、炎症性腸疾患(IBD)女性患者が妊娠の希望を伝えてきた際、どのように説明するべきか?

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推奨文
  • 活動期にある場合、まず寛解状態に入ってからの妊娠を勧める。(推奨度:A/同意度:9)
  • 妊娠前の病状によっては、妊娠中の増悪や妊娠合併症について、内科医、外科医、整形外科医と産婦人科医が連携し、双方の立場から情報提供することが望ましい。(推奨度:B/同意度9)
  • 妊娠前から内科、整形外科と産婦人科の立場から情報提供し、妊娠後は両診療科で共同管理する。(推奨度:C/同意度8)
  • 妊娠を積極的に考える場合、妊娠中に禁忌となる薬剤の切り換えを考慮する。(推奨度:B/同意度8)

各々の疾患、個々の症例により重症度が全く異なるため、まずは各々の症例毎に慎重なリスクアセスメントを行うことは必要である。それを踏まえた上で、一般論として以下のような説明を行う。

妊娠は可能であるが、病状が寛解状態にあることが望ましい。活動期にある場合は、まず寛解状態に入ってからの妊娠を勧めることが基本になる。妊娠前の病状によっては、妊娠中の増悪や妊娠合併症と関連が見られるため、内科、整形外科医と産婦人科医がお互いに連携し、双方の立場から情報提供することが望ましい。妊娠後は両診療科で共同管理する。妊娠前に産婦人科を受診する事を推奨し、疾患と妊娠合併症との関連性や薬剤の胎児への安全性につき、情報を提供することが望ましい。すなわち、治療薬は妊娠中・授乳中に中止すべきものと、継続可能なものがあることを伝える。CQ9~CQ11を参照し、妊娠中に禁忌となる薬剤の切り替えを考慮する。病状により、妊娠中に使用禁忌となる薬剤を、他の薬剤に切り替えできない場合は、内服を継続した場合のリスク・ベネフィットについてインフォームド・コンセントを得ることが必要である。尚、成人期へ移行した関節型若年性特発性関節炎(関節型JIA)はRAとは異なる疾患である。しかし、その治療は共通しているため、成人期移行関節型JIAは、RAに準じて対応する。