全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針 全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針

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全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針に関する疑問にお答えします。

イメージ妊娠中の薬剤について注意することはありますか?

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メトトレキサート(リウマトレックス)、ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト)は赤ちゃんに形態異常を生じさせることがあるため他の薬剤への変更が必要です。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:鎮痛解熱剤)は妊娠の後期(28週以降)では赤ちゃんの心臓に影響が出るため使用できません。

一方、ステロイド(プレドニン)、サラゾスルファピリジン(サラゾピリン、アザルフィジンEN)、メルカプトプリン(ロイケリン)、アザチオプリン(アザニン、イムラン)、抗TNFα抗体製剤(レミケード、エンブレル、ヒュミラ、シンポニー、シムジア)は赤ちゃんの形態異常との関連はないだろうと考えられています。ただし、高用量のステロイド(プレドニン)を内服している場合、糖尿病や高血圧、妊娠高血圧腎症、37 週未満の前期破水のリスクを上げる可能性があります。

高血圧を合併し、降圧薬を使用している場合、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ニューロタン、ディオバン、ブロプレス、ミカルディス、オルメテック、アバプロ、イルベタン、アジルバなど)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(コバシル、アデカット、プレラン、オドリック、インヒベース、カプトリル、レニベース、ロンゲス、ゼストリル、チバセン、タナトリルなど)は胎児・新生児死亡と関連があるので、安全性の高いヒドララジン(アプレゾリン)、α-メチルドパ(アルドメット)、ラベタロール(トランデート)に変更する必要があります。

主治医とも相談ができますし、各都道府県に設置されている妊娠と薬情報センターで使用中の薬について相談することができます。

妊娠と薬情報センターホームページ:https://www.ncchd.go.jp/kusuri

妊娠と薬情報センターへのお薬の相談手順

妊娠中の薬剤のリスクについては以下の表を参考にしてください。
*表中に使われる用語の説明
催奇形性とは:先天奇形が起こるリスクを上げること。
胎児毒性とは:胎児の発育や機能に悪影響を与えること。
禁忌:使用してはいけないこと。