全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針に関する疑問にお答えします。
全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)では不妊症や流産になりやすいですか?
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1)全身性エリテマトーデス
過去に流産を繰り返している場合や、死産の経験があり、検査を行って抗リン脂質抗体が陽性(1回陽性となった場合再検査し、再検査でも陽性の場合)の時には、低用量アスピリン(のみ薬)とヘパリン療法(注射)を行うことで流・死産のリスクを下げることができます。治療の開始が遅れると流産を防ぐことができませんので、妊娠したらすぐに受診してください。なお、ヘパリン療法は1日2回の自己注射が原則です。ヘパリン療法は妊娠反応が陽性になってから出産まで続けます。妊娠前に産婦人科を受診して相談してください。
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2)関節リウマチ、若年性特発性関節炎
不妊症や流産になりやすいこともありません。
メトトレキサート(リウマトレックス)は流産、赤ちゃんの異常のリスクになるので、妊娠を希望する場合は薬剤の変更を主治医に相談してください。
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3)炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
病気がよくコントロールされていれば、不妊症や流産は一般の人と変わりません。病気の状態が軽快してから妊娠しましょう。