全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針に関する疑問にお答えします。
全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の患者です。妊娠・出産はあきらめたほうがいいでしょうか?
病気になってしまって、妊娠・出産をあきらめてしまう方がいますが、病気の状態が安定している状態であれば、妊娠・出産することは可能です。最近は抗体製薬などの出現により、病気の状態が安定するようになり、従来は妊娠をあきらめていた方も妊娠できるようになってきました。そのため、症状が安定化してきた際に、妊娠を希望していることを主治医に伝えてください。主治医から妊娠・出産に関してのリスクなどを説明いたします。炎症性腸疾患で人工肛門を造設した方も妊娠・出産は可能です。主治医に相談してください。
また、現在使用している薬が妊娠中・授乳中も継続可能であるかを主治医に確認してください。妊娠前に変更したほうがよい薬、妊娠中に変更した方がいい薬もありますので相談してください。
病気のために妊娠・出産をあきらめている方が多くいらっしゃいますが、自己判断せずに一度主治医に相談してみてください。
なお、成人期に移行した関節型若年性特発性関節炎(関節型JIA)は、関節リウマチとは異なる疾患ですが、治療は共通しているため、関節リウマチの項を参考にしてください。