全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針に関して、ご説明いたします。
全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)、炎症性腸疾患(IBD)患者の分娩方法は?
推奨文
- それぞれの疾患では通常の分娩管理で良い。(推奨度:C/同意度8)
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1)全身性エリテマトーデス(SLE)、(2) 関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)
SLE、RAともに通常分娩管理でよい。また帝王切開の適応は通常の妊娠と変わらない。ただしRAの活動期あるいは寛解期であっても関節破壊の進行が強く、分娩台での砕石位が困難である場合は、帝王切開も考慮する。成人移行関節型JIAはRAに準じる。
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3)炎症性腸疾患(IBD)(クローン病(Crohn’s Disease;CD)、潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis;UC))
寛解期のIBDに関しては通常分娩管理でよい。また帝王切開の適応も通常と変わらない。
ただし活動性の肛門周囲病変や直腸病変がある場合は、帝王切開を考慮する。回腸嚢または回腸直腸吻合術後の場合は帝王切開の相対的適応となる1)。
<参考文献>
- 1) van der Woude CJ, Ardizzone S, Bengtson MB, et al. The second European evidenced-based consensus on reproduction and pregnancy in inflammatory bowel disease. J Crohns Colitis. 2015;9:107-124.